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醜悪なテロリズムによって連邦議会議事堂が爆破され、一般教書演説の最中であったアメリカ合衆国大統領を始め、副大統領以下閣僚が全員死亡。
指定生存者制度によって、突然に大統領となった男が、襲い来る陰謀に立ち向かい、懸命に国家の安全を守ろうとするドラマ「サバイバー 宿命の大統領:原題Designated Survivor」。
超人気ドラマ「24:Twenty Four」シリーズでおなじみの、ジャック バウアーこと俳優キーファー サザーランドが、何の前触れもなく、いきなり大統領を任されることとなった男を好演!
24シリーズの現代版とも呼べる、ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」の見どころを紹介します。
Contents
指定生存者制度とは?
ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」で、タイトルにある「宿命の大統領」とは、この作品の原題にもなっている、米国政府に実在する制度「Designated Survivor:指定生存者制度」を示すものです。
アメリカで毎年1月に行われる、大統領による一般教書演説は、会場となる連邦議会議事堂に副大統領以下の閣僚を始め、国の政治にかかわるあらゆる重要人物が一堂に会します。
万が一、この一般教書演説中に有事(戦争・テロなどの非常事態)となり、大統領の他、閣僚など重要人物が全員死亡してしまったら。
このような場合に備えて、事前に閣僚の中から選ばれた人物が、一般教書演説が行われる会場とは別の場所に待機し、安全を確保しておくのが「指定生存者制度」です。
不測の事態となれば 必然的に大統領となる
日本でも、毎年テレビで生中継されている、アメリカの一般教書演説は、ご存じのとおり厳重な警備態勢の下に行われます。
一般教書演説のように、国政の重要人物がすべて一か所に集まるというのは、極めて特別なため、慎重に慎重を重ねた警備が敷かれるのは当然のことでしょう。
その当日は、大統領や閣僚たちには、それこそ小さな虫一匹でさえ近づくことはできないと言っても、決して過言ではなく。
ましてや爆破テロが起きるなど常識では考えられませんが、それでも、もし万が一の時に備えて、閣僚から選ばれた指定生存者が待機し。不測の事態となれば、必然的に、その者が大統領を務めることとなります。
陰謀というリアルをテーマにした興味深い作品
このドラマのタイトル「宿命の大統領」は、閣僚の一人で指定生存者に選ばれた主人公が、一般教書演説中に起きた爆破テロというまさかの事態により、本当に大統領になってしまうという物語です。
国民による選挙もなく、議会から選ばれたわけでもなく、ただ定められた制度により大統領となった主人公が、想像もしなかった現実に慌てふためく。
一見すると、あまりに非現実的でパロディのようにも思えるプロットですが、決してそう思わせない演出が加味されているのが、この作品の興味深いところです。
常識では絶対にあり得ない、一般教書演説中の爆破テロですが、ある一つの可能性によっては、十分に現実となり得る。
それが、このドラマにおける最大のテーマであり、一番の見どころとなる、政権内部に存在する陰謀と裏切りというリアルです。
主人公は 下っ端のサエない閣僚
ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」の主人公 トム カークマン(キーファー サザーランド)は、政権内で住宅都市開発長官を務める閣僚の一人。
誠実でまじめな人柄のトムは、長官として懸命に務めようとしますが、あまりにも要領が悪いために、大統領とは上手く折り合いがつかず。次第に立場が悪くなっていったトムは、ついに長官職を解任されることになります。
トムは指定生存者に任命されて、年に一度の一般教書演説にも出席させてもらえず、妻のアレックス(ナターシャ マケルボーン)とともに別の場所で待機し、ポップコーンを片手にテレビで大統領が演説をするのを眺めていました。
連邦議会議事堂が一瞬にして灰になる
そのようなトムの前に、想像もしなかった、とんでもない事態が起こります。
演説を中継していたテレビの画面が突然に消え、何事かと思いきや、トムとアレックスがいる部屋に、警備していたシークレットサービスの面々が血相を変えて飛び込んできて…。
トムが、ふと部屋の窓を開けると、そこには信じられない光景が。
そこに見えるはずの連邦議会議事堂が、爆発による巨大な煙とともに、跡形もなく消滅している。
車に乗り込み、その場を移動するトムとアレックス。
現場から連絡を受けたシークレットサービスのマイク(ラモニカ ギャレット)が、トムに向かってこう告げます。
「大統領も副大統領も、みな死亡した。今から、あなたが大統領ですよ」
未曽有の事態に直面し 指導者としての資質を見出す
国家を襲った不測の事態により、思わぬ形で大統領となってしまったトムは、想像もしなかった事態に大きく戸惑います。
トムが指定生存者に選ばれたのは、大統領によって長官職を解任されることが決まったのが理由です。
そのような自分が、大統領として国民や議会から信頼されるはずがない…。
何よりも、自分が大統領の器でないことは、誰よりもよく知っている。
抑えきれない不安を、トムは、妻アレックスに打ち明けます。
いっそ、大統領を辞退すべきではないだろうか…。
トムの身を、常に案じているアレックスは、心配のあまりに、無理に責任を負うことはないと彼に同意します。
そして、今やアメリカ全土がテロの危機にさらされる中、トムが大統領になれば、息子や幼い娘など家族にも危険がおよぶ可能性が。
下級閣僚の意見など誰も聞こうとしない
一般教書演説中に議事堂が襲われる、前代未聞の事態となったアメリカ合衆国は、国家としてどのように対応すべきかという、緊迫した決断を強いられることになります。
さらには、今回のテロ事件を受けて、イランの駆逐艦が、合衆国へと向かっているという情報が。
大統領の後を継ぐものとして、危機管理センターへと呼び出されたトムでしたが、なぜか彼が来るよりも前に、すでにイランを攻撃すべきとの結論ができ上がっており。
「今こそ力を示すべきだ」と、トムに対して、周囲は意見を押し付けるばかりです。
会議に出席する誰もが、「アンタに戦争の指揮などできるはずがない」といった姿勢で、トムの意見に耳を傾けようとはしません。
自分にいくら経験がないと言っても、この態度はあまりにもひどすぎる。
さすがに憤慨したトムは、「ここでは私のやり方が通用しないのなら、いっそ外部の意見を聞いてみよう」と言って席を立ちます。
ついに大統領として責務を果たすことを決意する
国内の情勢が混乱を極める中、トムは、一刻も早くテロの首謀者を特定し、社会の安定を取り戻さなければなりません。
突然の出来事に、倒れそうなほどの不安におののいたトムでしたが、国民のために腹をくくらなければならないという強い意志が、次第に心の中に芽生え始めます。
住宅都市開発長官だったころから、トムを支えてきた補佐官のエミリー ローズ(イタリア リッチ)。
テロにより殺害された、大統領の首席補佐官だったアーロン ショア(エイダン カント)。
最初はトムの素質に懐疑的だったが、やがて信頼するようになる、スピーチライターのセス ライト(カル ペン)。
彼らホワイトハウスに勤務する、頼れる者たちのサポートを受けながら、トムは、ついに大統領として責務を果たすことを決意するのでした。
テロ事件に不信を抱いたFBIの女捜査官
同じころ、FBIの女性捜査官ハンナ ウェルズ(マギー Q)は、爆破テロ事件が発生した、連邦議会議事堂の現場を訪れていました。
そもそも、今回の爆破テロ事件は、すべてが謎だらけです。
あれほど厳重な警備態勢が敷かれていたのに、どうやって爆発物が待ちこまれたのか?
そして、テロとなれば真っ先に疑われるイスラム過激派組織。
マスコミや軍部は、ほぼ間違いないと断定しているようですが、通常ならあるはずの犯行声明もない。
もしや 恐ろしい陰謀の始まりなのでは?
そのような中、事件現場で不発弾が発見され、辺りは騒然となります。
爆弾は起爆するものでなかったが、アルカイーダが良く使うもので、ますますイスラム組織への疑惑が高まることに。
しかし、FBI捜査官として、テロ事件にも経験が豊富なハンナは、どう考えても納得がいきません。
もしや、この爆弾は、わざと起爆させなかったのでは…?
事件への思索を巡らせるうちに、ハンナは、恐るべき結論に達します。
それは、このテロ事件には壮大なる陰謀が隠されており、今はまだほんの始まりに過ぎない、というものでした。
「サバイバー 宿命の大統領」のキャストを紹介
アメリカで、一般教書演説中の連邦議会議事堂が爆破されるという、衝撃のサスペンススリラー、ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」のキャストを紹介します。
宿命の大統領トムを キーファー サザーランド
大統領により指定生存者に任命されたばかりに、本当に大統領になってしまった男 トム カークマンを演じるのが、みんな大好きなドラマ「24:TWENTY FOUR」のジャック バウアーこと、キーファー サザーランドです。
現在51歳のキーファーは、イギリス ロンドン出身でカナダ国籍を持つ、俳優でプロデューサー。
キーファーの父親は、映画「M☆A☆S☆H」など多くの傑作に出演した、名優ドナルド サザーランドです。
1986年に子役として出演した、映画「スタンド バイ ミー」で一躍脚光を浴びるも、その後は、なかなかヒット作に恵まれなかったキーファー。
2001年から放送が開始されたドラマ「24:TWENTY FOUR」によって、キーファーは世界中で大人気となり、2006年にはエミー賞 主演男優賞に見事に輝き、その後2010年にシーズン8が放送されるまでの長寿番組となりました。
本作「サバイバー 宿命の大統領」では、主演の他、制作にも携わっています。
妻のアレックスに ナターシャ マケルホーン
夫トムの身を心から心配する、妻のアレックス役を、イギリス ロンドン出身の現在48歳、ナターシャ マケルホーンが演じます。
若き日には舞台女優として、シェイクスピア劇などに出演していたナターシャは、1996年の映画「サバイバリング ピカソ」のヒロイン、フランソワーズ ジロー役で映画主演デビュー。
その後1997年の映画「デビル」や、1999年の「RONIN」で、ブラッド ピットやロバート デニーロと共演し、ナターシャは、スターの仲間入りをします。
ドラマでは、2007年に放送が開始された、デビッド ドゥカプニーと共演した「カリフォルニケーション」で、ヒロインのカレンを演じるなど活躍しています。
首席補佐官アーロンを エイダン カント
爆破テロ事件の後、トムにあらためて首席補佐官へと任命された、有能な男アーロンを、メキシコ出身の現在36歳 エイダン カントが演じます。
地元メキシコのドラマに出演して俳優デビューしたエイダンは、2013年のドラマ「ザ フォロイングで」ハリウッドデビュー。
映画では、2014年のXメン:フューチャー&パストにも出演しています。
新たに顧問として仕えるエミリーに イタリア リッチ
トムの住宅都市開発長官時代からの首席補佐官で、大統領就任後は顧問として仕える才女エミリー役は、カナダ出身の女優 イタリア リッチです。
現在32歳のイタリアは、ドラマ「マイライフ~私をステキに生きた方法~」や「スーパーガール」にも出演する、美人女優。
「サバイバー 宿命の大統領」では、トムから絶大な信頼を受けている、エミリー役を好演しています。
スピーチライターのセスを カル ペン
トイレで相手が誰なのか気づかずに、偶然にも本人の前でトムにひどい悪口を言ってしまう、有能だがややおっちょこちょいなセスを、アメリカ ニュージャージー州出身のインド系俳優 カル ペンが演じます。
ドラマ「24:TWENTY FOUR」ではキーファーと共演し、その後「ドクターハウス」にも出演したカルは、現在41歳。
2009年から2011年まで、オバマ政権下のホワイトハウスで、アソシエイトディレクターを務めたという異色な経歴の持ち主です。
本作では、トムとの衝撃的な面会の後、報道官に指名されることとなるセスを、独特の雰囲気で好演しています。
FBI女捜査官ハンナを マギー Q
テロ事件の現場を調査し、恐ろしい陰謀の存在に気付いた優秀なFBI捜査官ハンナを、アメリカ ハワイ州ホノルル出身の女優、マギー Qが演じます。
現在39歳のマギーは、2010年のドラマ「ニキータ」に主演し、暗殺者ニキータ役の華麗な演技で有名です。
ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」では、ジャック バウアーの女性版ともいえる、捜査官ハンナ役を、聡明な美貌を武器にしなやかに演じています。
トムの幼い愛娘ペニー役は マッケナ グレイス
シーズン1 第一話で、父親トムが話す電話の向こうで、キュートな笑顔を披露した愛娘ペニー役は、アメリカ テキサス州出身のマッケナ グレイスです。
マッケナは現在12歳ですが、女優デビューは7歳の時に出演したテレビドラマという、キャリア十分な実力派子役。
現在までに、2016年の映画「インデペンデンス デイ リサージェンス」や、スティーブン スピルバーグが監督した2018年の「レディプレイヤー1」など、数多くの映画やドラマに出演。
「サバイバー 宿命の大統領」では、いきなりホワイトハウスに引っ越すことになり、環境の変化に不安がるペニーを、見事に演じています。
「サバイバー 宿命の大統領」の評価は?
ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」に対する批評家による評価は、好印象と答えた人が86%という高い数値に。
視聴者からは、79%の人が好ましいと答えています。
高評価の理由として「この作品は、9.11同時多発テロによる恐怖を彷彿とさせる、秀作スリラーに仕上がっている」「主演のキーファー サザーランドは、24のジャック バウアーとどうしても比較してしまうが、トム カークマンと同様にいずれも国家の安全を守るという使命を、全く趣向の違うキャラクターで演じ切っているのが興味深い」と語っています。
実はS2で打ち切りが決定していた?
2016より放送が開始された「サバイバー 宿命の大統領」は、放送開始直後に1,004万人の視聴者を数えて好調なスタートを切りましたが、その後、徐々に減少傾向となります。
視聴者数は、シーズン1の最終回で500万人程度となり、シーズン2最終回には300万にまで減少。
放送局であるABCは、2018年5月にシーズン2終了を持って、打ち切りを発表しました。
NET FLIXによるシーズン続投が決定!
しかし、その後、配信サービスのNET FLIXがシーズン3以降の放送を受け継ぐこととなり。
手堅い人気を持つ作品だけに、視聴者は、今後も続きが観られるとあって、うれしい知らせでしょう。
視聴率が伸び悩んだ理由として、ストーリーに政治色が強く、「24:TWENTY FOUR」と比べて、万人受けしにくいことだと考えられます。
アメリカのテレビ放送は、すべて有料チャンネルとなるため、視聴率が低下すると、どうしても打ち切らざる負えない事情があります。
まとめ
あの超人気ドラマ「24:TWENTY FOUR」の、キーファー サザーランドが、今度は大統領となってお茶の間に再び帰ってくる、ドラマ「サバイバー 宿命の大統領」。
連邦議会議事堂の爆破テロによっていきなり大統領になった男という、まるでパロディのようなプロットを、政権内部に潜む陰謀が確かなリアリティを与え、9.11同時多発テロを彷彿とさせる興味深い作品となっています。
話題のドラマ「サバイバー 宿命の大統領」は、NET FLIXにて、シーズン1、2が絶賛配信中です。
帰って来たジャック バウアーの魅力を、ぜひお楽しみください。
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