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自閉症を持った男子高校生の主人公とその家族が、周囲との人間関係をめぐる、さまざまなトラブルに翻弄されながら成長してゆく、人気のヒューマンコメディ「ユニークライフ」。原題名は「Atypical」で、不定型という意味です。
他人と上手くコミュニケーションができない男子高校生の長男と、そのことがいつも心配でたまらない両親、そのような親たちにちょっぴり不満げな妹という家族が繰り広げる、笑いあり涙ありの心温まるストーリーが注目を集めています。
Contents
知能は高いがコミュニケーションが苦手な主人公
ドラマ「ユニークライフ」の主人公サムは、自閉症といっても先天的な知的障害などはなく、自分が大好きなペンギンの生態については、学者顔負けの知識を披露するなど極めて高度な知能をもつ人物。
精神医学では、同じ症例のことをサヴァン症候群といい、書物の意味を知らずに一冊完全に丸暗記をしたりなど、常識では考えられない記憶力や計算能力を持っています。
その反面、他人と会話をする際に、相手を気づかって言葉を選ぶといった、通常なら自然とできることがなかなかできません。
主人公サムも、誰かと会話中にとんでもないことを口にするなどして、上手くコミュニケーションを取れず、多感な思春期に毎日を悩みながら過ごしています。
映画「レインマン」の主人公
同じサヴァン症候群の主人公が登場する作品では、ダスティン ホフマンとトム クルーズが主演した、映画「レインマン」があります。
ダスティンが演じるサヴァン症候群の男性レイモンドが、トムが演じる弟のチャーリーと飛行機に乗る際に、彼は各航空会社が起こした墜落事故をすべて記憶していて、事故のないオーストラリア メルボルン行きのクァンタス航空以外は乗らないと駄々をこねたり。
ラスベガスのカジノではブラックジャックをして、レイモンドがトランプの札をすべて覚え、弟のチャーリーと見事に賭けで大儲けをするなど、印象的なシーンが。
ユニークライフの主人公とは違う
映画「レインマン」では、弟チャーリーがまだ赤ん坊の時に施設に入れられ、ほとんど記憶にない兄のレイモンドと大人になって再会し、お互いに戸惑いながらも兄弟として心を通い合わせていきます。
しかしレイモンドは、誰もが生活する日常社会のあらゆることになじめず、突然奇声を上げるなどしてパニックを起こし、最後には施設へと戻ってしまう。
「ユニークライフ」の主人公サムは、このようなことはなく、彼を支える家族や親切なカウンセラーの女性、学校には友達もいます。
自閉症というより、他人とのコミュニケーションが下手で、ちょっと風変わりな男の子といった感じで、観ることができるでしょう。
僕だって恋がしたい
ATYPICAL
18歳の純粋な高校生サムは、カウンセラーのジュリアに、誰でも恋をしたりデートしたりすることができると、希望を抱かせる言葉を掛けられてすっかりその気になってしまいます。
サムの思わぬ発言に 家族は騒然となる
僕だって真剣に恋がしたいと、サムは家族の前ではっきりと打ち明けますが、母親のエルザは、まともな人づきあいすらできないサムのことが心配でなりません。
子供のころから、風変わりなサムとの関係を上手く築けないでいた父親のダグは、これはチャンスだと、思春期を迎えた息子の悩みを親身になって受け止めようと努めます。
とても想定しえなかった兄の発言に、思わず吹き出してしまった妹のペイジは、それでも同じティーンエイジャーとして、兄の気持ちを誰よりもよく理解しています。
果たして、サムはめでたく恋人をゲットすることができるのか、不安ながらも懸命にサポートしようと奔走する家族が、主人公とともに成長していく姿がユニークな表現で描かれていきます。
まとめ
現代社会では、学校や職場などで人間関係の難しさから、心を病んでしまう人たちが増えており、大きな問題となっています。
その背景には、社会生活においては誰もが特異な存在であってはならず、考え方や発言などはすべて同じような常識の元に行わなけならないという、人々を縛りつける目に見えない風潮が。
劇中で、主人公のサムが「僕なんて誰も相手にしない」と、さみしげにつぶやくその表情が、人として好ましい在り方とは何かを考えさせてくれます。
人間はもっと自由で個性的であってもいいはずだということを、あらためて問いかけてくれる、素敵なコメディドラマ、「ユニークライフ」はNET FLIXにて絶賛配信中です。
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