サッカーワールドカップ2018ロシア大会も、いよいよベスト8が出そろい、優勝に向けてサッカーファンのボルテージも日増しに高まっていますが、特に決勝トーナメント初戦で日本に勝利した、欧州の強者ベルギーと南米最強軍団ブラジルとの一戦が、最も気になるところです。
それと同時に、スタジアムには連日5万人以上の観客が訪れ、テレビには何と10億人を超える視聴者が存在するというサッカーワールドカップでは、開催によって一体どれくらいのお金が動くのか、誰もが興味が湧くところでしょう。
このような、サッカーワールドカップの経済効果について紹介します。
優勝チームへの賞金は?
サッカーW杯で優勝したチームには、賞金はいくらもらえるのでしょうか?
FIFA(国際サッカー連盟)によりますと、2018年のロシア大会において、参加する各国のチームに支払われる分配金の額は、過去最高の7億9,100万ドルで、日本円にして約900億円になります。
このうち、優勝したチームには、18金製のFIFAワールドカップトロフィーと共に、賞金41億8,000万円が贈呈されます。
ちなみに準優勝では30億8,000万円、3位では26億4,000万円、4位が24億2,000万円で、ベスト8に残ったチームには17億6,000万円が贈られます。
今大会では惜しくもベスト16での敗退が決まった日本には、13億2,000万円が支払われ、またグループステージで敗退したチームにも8億8,000万円が支払われます。
つまり、FIFAによる分配金900億円のうち半分が、出場チームへの賞金として支払われるため、各国にとってはワールドカップの本大会に出場するだけでも大きなメリットがあります。
ちなみに優勝トロフィーにはいくらぐらいの価値があるのか、詳細は不明ですが、トロフィーの重さは3,800gあり、18金1gあたりのレートを現在の3,582円で計算した場合、1,361万1,600円になります。
気になるW杯による経済効果は?
サッカーW杯ロシア大会を運営する組織委員会が出した試算によりますと、W杯開催によるロシア国内の経済効果は、全体で約308億ドル、日本円で約3兆3,600億円にまで達すると報告しています。
スタジアムやインフラ整備などで莫大な投資
サッカーW杯ロシア大会は、ロシ1の都市で開催されます。
例えば、日本がグループステージ第3戦でポーランドと対戦したボルゴグラードは、かつてスターリングラードと呼ばれ、第二次世界大戦の激戦区で観光地としても有名ですが、W杯が開催されることで競技場や交通インフラが新たに整備され、そのために政府による莫大な投資が行われます。
ロシア政府は、W杯開催費用として6,780億ルーブル、日本円で約1兆3,400億円の支出を見込んでいます。
海外からの観光客が増加
サッカーW杯は、オリンピックなどと比べてもはるかに観客動員数が多いスポーツイベントです。
その証拠に、2016年に開催されたリオ五輪と、2014年のサッカーW杯ブラジル大会の観客動員数は、リオ五輪の117万人に対し、W杯では何と342万人と大幅に上回っています。
このため、スタジアムへ応援に駆けつける海外からの観光客の増加が見込まれ、宿泊施設や飲食店、空港などの公共交通機関を利用する人が増加し、大きな経済効果が得られます。
W杯におけるスポンサー料
世界的に人気の高いスポーツであるサッカーは、あらゆる企業にとって格好の広告宣伝の場となります。
W杯では、試合が行われるサッカーコートのフェンス一面に電子広告看板が設置され、試合中にさまざまな企業の広告が表示されるようになっていますが、それにはFIFAによるスポンサー契約が必要となります。
そのFIFAスポンサーで最上位に当るのが「FIFAパートナー」で、契約できる枠は7つのみ、その費用は一企業当たり200億円と言われ、大きな経済効果をもたらしています。
W杯2018ロシア大会では、以前からのアディダスやコカコーラ、韓国のヒュンダイ・起亜自動車、Visaに加え、現地ロシアのエネルギー会社ガスプロムや、カタール航空、中国の巨大企業グループ 万達がFIFAパートナーとなっています。
まとめ
サッカーワールドカップでは、開催都市のスタジアムや交通インフラを整備するための莫大な投資、世界中のサッカーファンが観戦に訪れることで外国人観光客が増加する、ワールドカップによる広告宣伝のために必要な、多額のスポンサー契約料など、莫大なお金が発生することから、今回のロシア大会でも3兆円を超える経済効果が予想されています。
上記の他に、サッカーには欠かせないユニフォームや、大会マスコットなどのW杯関連グッズの販売でも、莫大な収益が予想され、サッカーファンだけでなくビジネスパーソンにとっても、サッカーW杯ロシア大会の動向には目が離せないでしょう。
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